60代はセカンドライフの悩みも出てくる年代ですよね。資産管理について親子で話す機会もあるのではないでしょうか。
退職金の使い方や今後の介護費の心配から投資を検討する人も増えています。最近ではつみたてNISAの制度が浸透し、投資も身近になってきました。
つみたてNISAは30代〜40代の利用者が多く、60代からはじめることに抵抗を感じるかもしれません。しかし、実は60代から始めても十分メリットがあります。貯蓄だけに頼らず、60代からでもつみたてNISAを始められる理由と気になる相続について解説します。
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つみたてNISAがおすすめな理由
貯蓄が十分にある方は、60代から投資する必要はないでしょう。
昔の日本は銀行預金金利が高かったこともあり、貯蓄をしていればお金が増えることもありました。そのため投資は縁遠く感じ、お金持ちの人がするもの、投資はギャンブルのに近いなど、負のイメージが強い人も多くいます。
現在も、国民の多くが貯金を主に資産管理をしています。しかし、銀行金利はあってないようなものです。さらに退職後の人生も長くなっており、「年金だけで生活費は足りるのか」「孫にお小遣いをあげられる余裕はあるか」と老後の資産の心配は尽きません。
そこで投資という新たな資産運用方法が必要となります。つみたてNISAは投資を身近にするためのひとつの方法であり、投資初心者は投資の知識を深めることができるでしょう。投資初心者にやさしい仕組みであり、税金の優遇されている点でおすすめです。
つみたてNISAってなに?
つみたてNISAとは、少額投資非課税制度のことです。長期・分散・積立ができ、金融庁が設定した一定基準を満たした金融商品へ投資できます。年間で投資できる金額は40万円と限度があります。100円から投資ができることもあり、投資初心者でも低リスク・低コストで投資が始められます。
参考URL:金融庁つみたてNISA概要https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html
つみたてNISAの3つのメリット
つみたてNISAには大きな3つのメリットがあります。
- 利益が20年間非課税
- いつでも切り崩せる
- 少額投資
これらは、60歳からでも投資を始めやすくなる理由にもなります。
20年間運用利益が非課税
つみたてNISAは、投資で得られた利益が20年間は非課税で受け取れます。
通常の投資は、利益に対し約20%の税金がかかります。10万円利益があった場合、約2万円は税金で差し引かれ、約8万円が手元に残ります。
一方、つみたてNISAで得た利益であれば、2万円の税金がかかることなく、10万円が手元に残るため、とてもお得な制度です。
20年間の非課税枠はつみたてNISAの最大のメリットと言えます。
いつでも引き出せる
つみたてNISAはいつでも引き出せることができます。もし現金が必要になった時には、購入している金融商品の一部または全てを売却できるのです。
また、20年間は利益に対して非課税となっていますが、20年間投資し続けなければならい。という決まりではありません。必要な時に現金化ができるため、60代からつみたてNISAを始めた場合でも期間の縛りがないため利用しやすい制度です。
一方で、投資は長期投資することで、株価変動のリスクを低減できます。可能であれば一部を売却をし金融商品を保有し続けると将来的な利益が増える可能性が維持できるでしょう。
少額投資ができる
つみたてNISAは年間40万円まで投資できます。月々積み立てる場合は33,333円が上限金額で、最小金額100円から投資ができます。
60代は退職金など臨時の収入がある場合があります。タイミングを誤って一度に大きな額を投資すれば「退職金のほとんどを投資してしまい、相場の変動で大損をしてしまった。」という事態になるかもしれません。
一方、少額から投資するつみたてNISAは投資初心者に安心です。少額かつ投資時期を分散させることで相場変動リスクの影響を減らせます。
60代からのつみたてNISAのデメリット
60代からつみたてNISAを利用する場合は、20年間の非課税枠による利益を最大限利用できないことが想定されます。コツコツつみたて長期的な運用が良いとされる投資ですが、60代から始めた場合で5年・10年で投資をやめざるをおえないことも考えられます。具体的には、健康上・金銭的(老後資金の確保)の理由などがあるでしょう。
また、株価の変動により、20年間待たずに売却をすることも考えられます。具体的には、順調に利益を増やしていたのに、リーマンショックのような相場変動で決済を迫られる場合もあるでしょう。そうすると20年間という非課税期間を活かしきれません。
逆に考えれば、必ずしも20年間をフル活用する必要はないということです。利益が大きくなったタイミングで売却するなど、柔軟に対応・考えることが必要です。
60代から資産運用ができる期間は?
つみたてNISAの最大のメリットである20年間の非課税制度ですが、60代から始めた場合は、その恩恵を全く受けられないのでしょうか。
厚生労働省の資料によると、日本の平均寿命は男性は約80歳、女性は約87歳です。また支障なく日常生活を送れる目安とされる健康寿命は男性は約72歳、女性は約74歳です。
このデータから60歳から始めた場合も、10数年健康な時に投資を続けられる可能性が高く、さらに20年間投資を続けることも不可能ではありません。
参考URL:内閣府
つみたてNISAの開始にはネット証券がおすすめ
つみたてNISAの開始には、口座の開設が必要です。コスト面を考えると圧倒的にネット証券の利用がおすすめです。
60代からネットを利用することに抵抗がある人は多いかもしれません。しかし、知識がない状態で銀行等の窓口で相談してしまうと、手数料が高い、利益が低いなどの金融商品をすすめられてしまう場合もあるため、注意が必要です。
ネット証券からつみたてNISAを申し込むと、少額から投資が始めらる、株の購入手数料が安い、など利用者側のメリットが多くあります。
お客様サポートや家族のサポートを受けながら、ネット証券でつみたてNISAをはじめてみてはいかがでしょうか。
楽天証券
楽天証券はネット証券として人気が高いです。買い物などに楽天カードを利用している人や少額投資から始めたい人におすすめです。
- 楽天カードで支払いができる
- ポイントを投資に利用できる
- ノーロード(販売手数料がかからない)金融商品が豊富
- 100円から積立投資が可能
現金が必要になったときは?解約方法は?
現金が必要ななった場合は、つみたてNISAの解約・一部を売却をすることで現金を得られます。ネット証券の場合、手続きも自分で行う必要がありますが、銀行等に出向く必要もないため便利です。
注意すべき点は、株価は変動するため、現金が必要な時に利益が発生しているとは限りません。日々、株価の変動を注視する必要はありませんが、半年にいちどになど定期的に確認することは、株価を学ぶ上でも大切です。
金融商品を売却する時は、いちどに全てを売却するのではなく一部を売却することで、価格変動によるリスクを分散させることができます。
万が一のとき…相続はどうするの?
相続する子どもや親族などの相続人がつみたてNISAの口座を持っていた場合も、つみたてNISAの口座へ相続ではなく、一般課税口座への相続となります。現金化して相続するのではなく、「投資信託」のまま相続されます。
相続税がかかるため、節税対策にはなりません。つみたてNISAは運用している20年間の利益に対して税金が免除となっています。相続の場合は有価証券の扱いになるため、相続税がかかります。
日頃から家族と情報を共有することで、知識を深めながら万が一に備えましょう。
60代からでもつみたてNISAはおすすめ!
つみたてNISAは60代からでも十分メリットを感じられる制度です。もちろん投資は必ず利益が出るとは限りません。けれど、コツコツ積立・資産の分散・長期投資を心がけることでつみたてNISAで老後資金を確保できます。
貯蓄だけではなく、コツコツ投資も行うことで、70代・80代になったときに介護費や老後の趣味、お孫さんのお小遣いなどのために貯蓄を増やせるかもしれません。
なるべく早くはじめる事がつみたてNISAを有効に利用するポイントです。少額でも家計に投資できる余裕があれば、将来のためにつみたてNISAをはじめてはいかがでしょうか。
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