派遣社員から契約社員として直接雇用になった体験談と反省

派遣社員から契約社員として直接雇用になった体験談と反省

派遣社員として企業で働いていると、直接雇用について相談されることがあるかもしれません。直接雇用といっても、雇用形態は正社員や契約社員などがあり、直接雇用になった場合の条件などを確認する必要があります。

ここでは、派遣社員として3社転職をし、そのうちの1社で直接雇用(契約社員)となった筆者が感じた、派遣社員・直接雇用のメリット・デメリットをまとめました。

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派遣社員の3年ルール

2015年派遣法改正により、自由化業務での派遣契約では、同じ派遣先で3年以上働くことはできなくなりました。3年以上一つの職場で働く場合は、派遣先企業での直接雇用を求められるようになったのです。

当時、わたしが派遣社員として配属されたポジションは、社内プロジェクトで一時的に業務を外れる社員さんの後任でした。

そのため、1年間の期限付きでの派遣契約だったのですが、別部署で退社する社員さんがいたため、後任を勤めることになります。

派遣社員としての勤務が計3年間が経とうとしている頃に直接契約の話をいただき、直接雇用されることになりました。

派遣社員のメリット・デメリット

筆者は20代後半まで派遣社員で働いていました。医療システムの販売会社・証券会社・製造メーカーと3社経験しています。

業務内容は受発注業務・アシスタント業務・一般事務と主にサポート役のお仕事をしていました。それぞれの社風を感じながら、ひとことに事務職と言っても様々な内容のお仕事をこなしました。

お仕事内容は社員・派遣社員の垣根はほとんどないと思います。けれど、派遣社員特有のメリット・デメリットは感じます

派遣社員で働くメリット

派遣社員は働きかたに柔軟性があると感じています。さらに筆者が感じた派遣社員として働くメリットは以下の5つです。

  • 派遣会社の担当者がいること
  • 未経験者でも働ける
  • 大手企業でも働ける
  • ライフスタイルにあわせられる
  • 転職しやすい

担当者がいる心づよさ

派遣社員は、派遣会社から担当営業マンもしくはアシスタントの方がつく場合が多いです。派遣先企業との面談やその後の契約内容・更新時など、相談を気軽にすることができます。もちろん、担当者と自身との相性もあるかもしれません。けれど多くの場合、派遣会社・担当営業マン・アシスタントを通して、日頃から相談することができ、安心して働くことができます。

筆者も派遣先企業の人間関係に悩んだときは、派遣会社の担当者によく相談をしていました。良い関係を築くことで、その後の転職などのタイミングなど親身に相談に乗っていただくことができ、日々お仕事をがんばれたと思います。

未経験でも働けるチャンス

未経験業界や職種にチャレンジしやすいのも派遣社員のメリットです。直接雇用の場合は経験者しか受け入れない企業でも、未経験の派遣社員を受け入れてている企業は意外とあります。

業界・職種未経験者は職探しをする上では欠点と感じることもあるかもしれません。しかし、未経験の方が「仕事のクセがなく、吸収しやすい」と考える企業が多いのも事実です。

大手企業で働けるチャンス

派遣社員として働いていると、大手企業が派遣先となることがあります。わたし自身、学歴や突出したスキルがあった訳ではありませんが、大手企業でアシスタントとして働きました。新卒や中途採用では、働くことができなかった企業でキャリアをつめたことは、良い経験となりました。

派遣社員は企業と同様に、働く場所を選ぶことができます。転職市場では、大手企業での職務経験を評価する企業も多いです。今後のキャリアに活かしたいのであれば大手企業働くことを条件として就職活動することも一つです。

ライフスタイルを重視した働きかた

働く場所や働く時間など、自分のライフスタイルに応じて派遣先企業を選ベルことも派遣社員で働くメリットです。自宅からの通勤距離・時間や就業時間などの条件から選べます。条件が細かすぎると、働ける企業はより限定的になりますが、ライフスタイルを重視した働きかたができることは派遣社員の特徴と言えます。

キャリア・スキルアップができ転職しやすい

派遣会社によっては、登録している派遣社員向けに研修を行なっているところも多く、スキルアップの機会もあります。

たとえば、エクセルやワードの使い方講座やオフィスで使う英語の研修など、自分自身のスキルアップができます。スキルが上がると、転職に優位、時給が上がるなどキャリアアップにつながるでしょう。

転職しやすいことは派遣社員のメリットととらえる事ができます。女性はパートナーの転勤、育児や介護などライフイベント左右されがちです。その都度働きかたを見直したり、転職したりすることを考えると、スキルの習得、キャリアアップを考えた転職ができる派遣社員は、よりライフスタイルも重視しつつ柔軟に働ける選択肢でしょう。

派遣社員で働くデメリット

派遣社員で働くデメリットの多くは直接雇用で働く場合より、金銭的に優遇されていないことがあります。わたしが働いていた当時は、交通費・ボーナスの支給はもちろんありませんでした。

ただし、2020年から「働き方改革」により、派遣社員・パート社員も交通費・退職金・ボーナス支給など正社員との待遇の差をなくす法改正が施行され始めました。(※働き方や企業規模で導入時期が異なります)そのため、金銭的なデメリットを感じにくくなるかもしれません。

参考:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

直接雇用で働くメリット

直接雇用で働く最大のメリットは雇用の安定ではないでしょうか。

また女性の場合、産休・育児休暇などライフイベントに合わせた制度を利用しやすいことも直接雇用のメリットといえます。

  • 雇用の安定
  • 休暇取得制度

雇用が安定していること

派遣社員に比べると雇用が安定しているといえます。経済的に不景気な時期の派遣社員は、契約更新がなくなったり、求人が少なく転職できない時期があったりと景気に左右されやすいでしょう。

直接雇用もリストラや早期退職など景気のあおりを受けることもありますが、派遣社員に比べると安定的です。

産休・育児休暇の取得

派遣社員でも産休・育児休暇を取得することは可能です。しかし、休暇を取得したい時期までに派遣期間の条件がある場合もあり、確認が必要です。

正社員での雇用の場合、入社日から1年未満であっても原則休暇を取得できます。

筆者の場合は、契約社員での雇用でした。入社日の1年半後に産休・育児休暇を取得することになりましたが、スムーズに手続きをしてもらい、当たり前のように休暇を取得できました。

派遣社員として働いていた時は、派遣会社を2社利用するなどしていたため、もしかすると休暇取得の条件に満たない…なんてことが起こりえたかもしれません。

派遣社員として働いていて、現在は育児休暇中というママにも出会うことがあります。以前より取得しやすい印象ですが、出産や育児を考えている場合は、雇用先の実績を確認しておくとより安心できるでしょう。

直接雇用で働くデメリット

直接雇用で働くデメリットは、退職までに時間がかかる可能性があることです。特に円満退社をめざすと時間がかかります

退職を職場に申し出ることは、勇気と思いきりが必要です。その上、職場から引き止めや、退職を申し出たことにより職場環境が悪化するなど、退職時は問題がおきやすくますます退職が難しく感じるかもしれません。

一般的には、1ヶ月前に退職を申し出ることが契約条件として多いかもしれません。ただし、現実的には後任の採用や引き継ぎなどで時間がかかる場合がほとんどです。早めに退職を申し出ることは大切でしょう。

わたし自身1年以上前に退職を申し出て、未だ退職時期について決着がつかない状態です。円満退社をあきらめることで、希望時期に退職することも可能ですが、今までお世話になったという思いから、長期戦となっています。

派遣社員と比べると、直接雇用の退職や転職は簡単ではないといえます。

派遣社員から直接雇用になると給料が下がる?

実際に直接雇用になった時のわたしの体験を振りかえります。

直接雇用の話がでた場合、まず雇用条件について確認が必要です。雇用形態、給与、交通費、休暇などの確認が必要です。

筆者の場合、契約社員での雇用でした。派遣社員のときと変わらず時給計算です。正直、派遣社員で働いていたときの方が時給が高く、直接雇用に切り替えるか悩みました。交通費やボーナス支給を考慮していただき、派遣社員の時と同じ年収を保てるよう配慮いただきました。

雇用条件は、少しでも疑問や心配事があれば、派遣会社担当者や企業側上司へ相談できる環境があると心づよいです。

多くの体験談を読むと、派遣社員の時の方が時給がよかったという話があります。交通費やボーナスなど総合的に判断が必要です。

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派遣社員?直接雇用?どっちを選ぶ?

派遣社員・直接雇用で感じたメリット・デメリットをまとめました。今振り返ると派遣社員の方が筆者のスタイルにあった働き方だったかもしれないと感じる事が多いですね。

法改正もあり派遣社員と直接雇用の差はなくなりつつあります。けれど、直接雇用は、派遣社員に比べて安定的な働きかたという認識は高いです。そのため、「不景気での派遣切りが不安」と感じるのであれば直接雇用を選ぶべきと言えるかもしれません。

派遣社員は柔軟に働けることを強みに、キャリアップ・スキルアップをしながら、自分のライフスタイルに合わせることができます。年齢を重ねると、派遣社員として働くことは難しいというイメージもありますが、スキル・経験を強みにお仕事ができるのではないでしょうか。

派遣社員から直接雇用のお話があった場合は、自分のライフスタイル・キャリアプランを思いかえしてみる、企業の育児休暇や介護休暇の取得状況を確認してみる、など自分自身がいちばん働きやすいと感じる選択がベストです。